ヴァイオリンレッスン

風邪をひいたり首すじを痛めたりと夫の体調不良が続いていたので、久しぶりのレッスン。

教室にはいると、先生から、「お会いするのは、ライヴ以来(昨年末に先生のジャズライヴがあったので)ですか? 今年もどうぞよろしくお願いします」と尋ねられ、新年の挨拶を交わしました。……1月の終わりに。長くお休みしてごめんなさい。

調弦をすませ(いつも夫が先生の指示にあわせて調弦し、夫の調弦済みのAを私が受け取って、やはり先生に高低を教わりながら調弦し、最後にAを先生に渡して先生がご自分の楽器を調弦)、レッスン開始となりました。


♪ニ長調音階・アルペジオ

「ラフォリア」で使用する音階を弾きました。

久しぶりのレッスンなので、全弓でゆっくりと、2つずつ。

慣れてきたところでスタッカートで1音ずつ。


♪ラフォリア(A.Corelli)

レッスン時間の半分はこの曲を弾いたような。

教則本が書き込みでびっしり埋まっています。

注意事項が多かった箇所はスペースが足りず離れた場所に書いてしまい、かなり見づらい……。

先生が1stで私たちが2nd、私が1stで夫が2nd、交代し夫が1stで私が2ndで通したり、指導された箇所(とくに後半のアレグレット以降)を何度も練習したりとたくさん弾いたのと、先生の指導が濃やかだったため流れをよく覚えていません。

(前回も同じようなことを書いたような……)

1st

・2ndにわかりやすいよう、はっきりと弾く音に注意する。

・スラーとスタッカートがいりまじった8分音符の連なりがなめらかになるように気をつける。

2nd

・私と夫の0番・4番の指使いに違いがあったため、統一。

・D線4番のラの音は、気持ち高めになるように意識する。

・G線等、低音の弦は音がぼやけやすいので、弓に体重を載せ出元がはっきりするように弾く。チェロやヴィオラの奏者になったつもりで。

・pは弓の幅を使いながらも音色をつくって。

・mfはf時よりも弓幅を狭く使い音量を抑える。ただし、音の立ち上がりはしっかりと。

・重きを置く大切な音と、その音にあわせてふくらまないよう、短くスタッカート気味に弾く音に気をつける。

・付点4分音符のスタッカートは出だしを強めに弾き、そのまま伸ばしつつ音を抜く。

・1stが音を伸ばしている間の2ndの16分音符の連なりは、弓のアップをはっきりさせるとかっこいい。

最後に、私と夫とでパートを交代しながら2回通しました。

たくさん注意されたし、次回も続くかなと覚悟していたら、「うん、いいんじゃないでしょうか」と先生。この空気。この言葉。この流れ。もしかしたら。

「これだけ弾けているのでこの曲はこれでいいでしょう」と続き、合格となりました。

(私の先生の合格パターン)


♪変ロ長調音階・アルペジオ

次の曲から♭がふたつに増えるため、指づかいを確認しながら、ゆっくりと。

「開放弦が減り、指の開きも変わってくるので、ちょっと大変です」と先生。

音階とアルペジオの次の段に次の曲のポイント部分を抽出した練習曲がありましたが、まずは慣らしということで、リズムはそのままにメロディー部分のみ音階に変えて弾きました。

次回は楽譜どおりに弾きましょうとのこと。


♪バグダッドの酋長1(A.Boieldieu)

まず、私と夫とで通しました。

演奏を聞きながら、先生、ご自分の教則本に気になるところを次々と書きこんでいきます……。

ミスしたところはもちろん、自信のない箇所も、苦手な箇所もばればれのもよう……。

演奏後に先生から「よく譜読みされていますね」といわれてほっとしました。

この曲では、fz(フォルツァート)について教わりました。

fzがついた音符のみを強く弾くという意味で、この記号がでてきた時は大抵弓もとで弾くそう。

ボウイングのスピードや使用する弓の幅をコントロールし、fz部分に差し掛かる時にちょうど弓もとがくるよう繰りかえし練習しました。


♪バグダッドの酋長2(A.Boieldieu)

この曲もきちんと譜読みができているとほめられました。練習した甲斐がありました。

1はアンダンテのゆるやかな曲調でしたが、2はアレグレット。

ほとんどが、8分音符と16分音符でなりたっている曲です。

前回のレッスンで、8分音符部分は弓もとではねさせて弾くよう指示されていたので、「ふふ、「若い翼」で鍛えた私の弓はねを見よ」と調子にのって練習していたところ、後半のG線8分音符の連なりで、勢いが止まらなく……!

ゆっくり弾きはじめたはずなのに途中から走ってしまう曲です。

レッスンでも弾く前は「(ミスが怖いから)ゆっくり弾こうね」と夫と示し合わせていたのに、やはり半ばから速くなってしまいました。

通し終えて先生がひとこと。

「後半が速くなってしまうんですね。では前半を後半の速度に合わせてしまいましょう」

そういえば以前に「若い翼」や「水上の音楽」を弾いた時も同じ事態となり、同じような提案(?)をされたのでした。

「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」ならぬ、「速いならすべて速めよバグダッド」的な。

自分でも何をいっているのかよくわからないのだけれども。

次に、音程について注意がはいりました。

1段目、A線3番のレがいくつか出てくるのだけれど、弾くほどに音程が下がってきているのが気になるそう。

先生の音に自分たちの音を重ねて、指の位置を調整し、次に曲を弾きレに差し掛かったところでその音を伸ばし、3人が同じ音になっているかを確認。

あとは、弓のアップ時とダウン時の音が異なっているのでアップでもはっきり弾く、4分音符部分は弓をたっぷり使って(全弓でもよい)弾く(ただし、G線16分音符の連なりはちょうど弓もとがくるように直前の4分音符は全弓でなく半弓で調整する)、連続する16分音符に♭がある時は即座に弾けるようあらかじめ指のかたちをつくっておく等々、こまかな指導を受けました。

注意を受け反復練習をした箇所にできるだけ気をつけつつ、私たちが1st、先生が2ndで通し。

合奏を終えたあと先生から、「上のパートがファーシーシーレドシラ、と弾いた直後に、下のパートがレドシラシーシー、と同じ旋律を引き継いでいるのが聞こえましたか?」と質問。

「演奏するのでいっぱいいっぱいで、あまり聞けていませんでした……」と私たち。

あれ、前にもこんなやりとりがあったような。

1stのファーシーシーレドシラ(直後に、2ndが同じ旋律を刻む1拍ぶんを休符に)レドシラ(1拍休符)・レドシラ・(1拍休符)と同じ旋律を繰りかえして練習し、ファーシーシーレドシラ(私たち)レドシラ(先生)レドシラ(私たち)レドシラ(先生)とすんなりと受け渡せるようになるまで、何度も弾きあいました。

両パートとも弾ければ相互関係もわかりやすくなるとのことで、「この曲(バグダッド2曲)も、下のパートをやってもいいでしょうか」と先生。

今思えば、1も2もという意味だったのかもしれないけれど、この時は気づかず、どちらにしようか、夫と相談しました。

2は2ndも弾けると楽しそうだけれど、3音の重音があるので弾けないかも……。

では1にしようと決めかけた私たちに、先生は「ここはこんな風に弾くひとと、こんな風に弾くひととがいます」と実践してみせつつ、「重音はそれぞれ違う音を弾いても大丈夫ですよ」と。

リズム的には2のほうが易しそうだし、音の受け渡しも慣れると楽しかったので、2の2ndを練習してくることにしました。


通常、レッスンは2週間に1度になるようにスケジュール調整しているのですが、他の生徒さんの予約が集中している来週に、私たちも便乗予約。

来週までに「バクダッドの酋長2」の2nd、弾けるようになるかな。がんばろう。

帰り支度をしつつ「G線をたくさん弾くと背中が痛い……」とこぼすと、「G線を弾く時って、ふだんは使わない筋肉を使いますもんね」と先生。

しばし、ヴァイオリンで使う筋肉について語りあい、ふと「ヴァイオリンを弾いていると左腕と右腕、どちらに筋肉がつきやすいんでしょうか」と先生に聞いてみたところ、「私は左側につきますねえ」とのことでした。


帰り道はファーシーシーレドシラ・レドシラ・レドシラの旋律が脳内でえんえんとリフレイン。

夫も、「ファーシーシーレドシラ・レドシラ・レドシラ」と口ずさんでいました。面妖な……。