夫のヴァイオリンを購入
ヴァイオリンを試奏しに弦楽器店MAGICOへ行ってきました。
夫は10万円くらいのヴァイオリンを使っているのだけれど、今後ずっとヴァイオリンを続けていけそうなので、いつか楽器を買い換えたいと考えていました。
今のヴァイオリンも気に入っているし、何年か経ってからでと予定しつつも、今からすこしずつゆっくり探してみて、条件に合うヴァイオリンがあればと。
(条件はフルサイズでありながらもやや小ぶりなサイズであること。かつ外見が好みであること)
MAGICOオリジナルのヴァイオリン(旧モデル)がとても安くなってると聞き問い合わせたところ、オリジナルのヴァイオリンで小ぶりのものはないけれども、イタリアの手工品で、予算ぴったりのヴァイオリンがちょうどあるとのこと。
その作家さんの作品は100万前後で取引されているそうですが(調べたところ、80~120万くらい)
作家さんから直接仕入れたことに加えフルサイズよりサイズがちいさいため安くできるとのこと。
お店のサイトにその楽器の写真が載せられていたのだけど、とても綺麗な楽器で、すみずみまで丁寧に作られているのが伝わってきます。
グラデーションがかった外観も、色は理想より若干明るくはあるものの夫の好みにぴったりです。
これが予算内ならばかなりお買い得かもと、すぐに試奏の予約を入れました。
当日は、他にもいろいろな楽器を見ておいたほうがいいだろうと、他店へも。
ベルギー製オールドやピグマリウスのリバースシリーズ、モダンフレンチを見せてもらいました。
ベルギー製オールドは音はよかったものの、外観は好みでなく。魂柱近くの修繕もあって見送り。
そのオールドの音にくらべるとリバースシリーズは音が物足りませんでした。
モダンフレンチのヴァイオリンは音、外観ともバランスがよかったのですが、夫にとって、ときめきを覚える品ではなかったようです。
他店を後にし本命の待つMAGICOへ向かう道すがら、不安になってくる私たち。
写真で見た時は気にいったけど、あのヴァイオリンにもときめきは感じられないかもしれないと。
お店は千駄ヶ谷を降りて5分ほど、ゆるやかな坂道を登った場所にあります。
左側はちいさなビルが立ち並び、右側は新宿御苑が広がっていて緑の匂いが仄かに漂ってきます。
MAGICOは大きなお店ではないけれど、やわらかに点る黄色い灯りがやさしく、
アンティーク調の家具は雰囲気あり、店内に足を踏み入れるだけでしあわせな気持ちになります。
ディスプレイされた楽器はどれもぴかぴかに磨かれており、大切に扱われているように感じます。
名前を告げると「お待ちしておりました」と店員さんが木製のテーブルへと案内してくれました。
女性の店員さんがメニューを私たちに差しだして「お飲み物は何になさいますか?」と尋ねます。
今まで、試奏時に飲み物が出たお店はひとつあるかないかだったので(完全予約制のお店でした)
まだ買うとも決めていないのに、親切に接してもらっていいのかとびくびく。
今日は、夫の楽器の試奏がメインなのだけれど、
MAGICOは楽器のクリーニングも行っているので私の楽器を綺麗にしてもらおうと思っていました。
私の楽器はMAGICOではないお店で買ったものなのでクリーニング料金が発生するはずなのですが、「調整しないのでしたら眼鏡のクリーニングと同じですよ」と厚意で無償にしてくださいました。
飲み物とカラメルクッキーまで頂戴した上、他店の楽器まで磨いてもらっていいのかとびくびく。
テーブルに広げた黒いマットの上に、4挺のヴァイオリンが並べられました。
本命のヴァイオリンを目にしたとたん、わあと目を瞠る夫と私。
写真では渋く見えたのに、実物はすごくすごく可愛らしい印象。つくりもとてもていねいで綺麗。
店員さんに頼んでそれぞれの楽器で曲を弾いてもらったのち、じっくり試奏させてもらいました。
他に用意された楽器もよかったと思うけれども、夫の目には本命ちゃんしか映っていないようで、本命ちゃんばかりに触れて、本命ちゃんばかりを弾いています。
店員さんが、「ここに並べたのはとくにおすすめのものですが、こういうものもありますよ」とさらに数艇の楽器を持ってきてくださいましたが、見向きもせずに、本命ちゃんを弾きまくる夫。
実物を見るまで「即決せず、家に帰って考えて、それでも欲しかったら買う」といっていた夫が、「これなら買っても後悔はしない」とすぐに購入を決めました。
今日にでも持ち帰りたい気持ちはあったものの、私の楽器と、夫が現在使っている楽器とで荷物が手いっぱいで、この日は支払いだけを済ませ、本命ちゃんは翌週にあらためて引き取りに行くことになりました。
新しいヴァイオリンは今までの楽器よりちいさく、慣れるまでにすこし時間がかかりそうなので、週末に控えた発表会では、今の楽器を使う予定。
お店を出る直前、クリーニングが済んだ私のヴァイオリンを受け取りました。
メルがぴかぴかつやつや!
なんとなく、色あいも濃くなったような……?
顎当ての下まで磨き、内部のほこりも除去してくださったそう。
さらに固かったペグ(固いままの方がよいE線以外)を調整し、駒も直しやすいように弦と駒が接している部分のすべりをよくしたとのこと。
こんなにいろいろとしてくださって感激です。調整もお世話になりたいです。
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