発表会当日

秋分の日に本番を迎えました。私と夫にとっては、4度目の晴れ舞台です。

会場は原宿にあるホール。こじんまりしているけれど、ベーゼンドルファーが置かれています。

昨年は同じホール、一昨年はスタインウェイのあるホールで開催されました。

ヴァイオリン教室とピアノ教室合同の発表会なので(先生同士がお知り合い)、ピアノを弾く生徒さんがいいピアノで演奏できるよう配慮されているのかも。


開演前に「カノン」と「水上の音楽」のリハーサル。

「水上の音楽」は休符の直後に曲調が変わる箇所があって、4人が合わせられるよう私が合図を入れるのだけれど……、ず、ずれたー!

「弾き直そう。ゆずさん、自信を持って弾ききって合図ね」と先生が演奏を止めて、仕切直し。

テンポも決めていた数字よりだいぶ速くなっていたみたい。

「本番は、弾く前にテンポを確認しあいましょう」と先生。

開演時刻が迫っていたため、ダカーポの直後あたりまでさらっと弾いて終了。

不安な気持ちを抱いたまま発表会がはじまりました。

「水上の音楽」は第1部の終わりから2番目、「カノン」は第2部のはじめ。

第1部は子供さんや中級者で固められているので(トリのかたのみ上級者)短めの曲が多くて、あっという間に順番がまわってきました。

曲名、演奏者名、コメントのアナウンスが流れている間に先生が手早く調弦。

舞台向かって右手から、先生(ヴィオラ)、夫(2nd)、Tさんと私(1st)と並んで、一礼。

譜面台に楽譜を置きながら、この曲をこの編成で弾けるのは最後なんだと寂しさを覚えました。

この日がくるのを嫌だと思っていたのに。

私のアインザッツに合わせて演奏がはじまりました。

何度か合わせたことがあるからか、上手なかたが一緒だからか、思ったほどには緊張しなくて、ここは全弓、次はpでスタッカート、ここからf、あ、今のトリル、はずしちゃった……等と、いろいろなことを考えながら弓を動かしていました。

でも、身体はすこし緊張していたのかも。早弾き部分で落ちてしまいました。

Tさんがいてくれたのですぐ復帰できたけれど、いちばん念入りに練習したところだったので、やっぱりショック……。

でも、そのぶん残りはていねいにしっかり弾こうと気持ちを切り替えました。

リハーサルではうまくいかなかったところとダカーポのアインザッツは成功。

失敗もあったけれど他のメンバーがいてくれたおかげで満足な気持ちで演奏を終えられました。

なにより楽しかった!

先生がにこにこ顔で「成功でしたね。アイコンタクトもバッチリでした」といってくださって、じわじわ嬉しくなりました。先生はほめ上手だなあ。

「カノン」は、落ちずに最後まで弾けて、ひと安心。

Tさんの弓さばきは力強くてめりはりがあって、クリアな音が出ていました。

これがじょうきゅうしゃのうごき……!

講師演奏のスペイン舞曲も情熱的な曲、長閑な曲、不思議な曲とさまざまな曲が詰まっていて、楽しく聴けました。先生の音は、やっぱり素敵です。

とてもいい発表会でした。

本番直前まで不安でいっぱいだったのに、終わってしまうと、来年もこんな風にアンサンブルしたいと思う自分がいてなんだか可笑しい。

でも次は、もうすこしゆったりした曲を選びたいな。


今年は演奏を聞きたいといってくれたかたがいるので、演奏を録音しました。

椅子の上にウォークマンを載せただけなので、音質はそんなによくないかも。

曲名クリックで音源ページに移動します。

1ヶ月ほど経ったら、撤去する予定です。

※現在は撤去しています。聞いてくださったかた、ありがとうございました。


♪水上の音楽(G.F.Handel)

速くなりすぎないようにと慎重になっていたためか、はじまりがゆっくりめのテンポ&どことなくぎこちない演奏になっています。

(早弾き部分から決めておいた速さに戻った……?)

弦楽のみで構成された味わいのある音が好きです。ヴァイオリンを習ってよかったと思います。


♪カノン(J.Pachelbel)

私と夫は2ndパートです。

Tさんの芯のある音に支えられています。